2009年5月28日木曜日

よくばりな、赤い宝石
















今朝は、仕事の前に、ひと仕事。
みんなでイチゴ採り。
綺麗で甘くて香り豊かな、赤い宝石は
みんな大好き。
やる気満々、気合十分。


実は、今年キッチンで使わせてもらったイチゴは、
この時季、皆様に楽しみにしてもらっている
山崎さんのイチゴではなかった。
残念ながら、この春は、山崎さんの甘い甘いイチゴが
届かなかった。


例年、露地で育てる山崎さんのイチゴは
早い時期に育つハウスのイチゴより、
梅雨の悪天候の影響を受けやすい。
昨年の梅雨時は、雨が多く寒い日が続いた。
そんなお天気のお陰で、今年は不作で、
楽しみにしてくださっていたお客さまには
本当に申し訳なかったのですが
これも、自然の摂理と、諦めるしかない。


だけど、マイナスは悪い事ばかりではない。
それによって、また新たな若い人との
関係が芽生えた。

お店から車で10分もかからない「七井・なない」と
いうところで、甘い甘いイチゴ・とちおとめを
愛情をたっぷり込めて、育てている向田さん。
まだ若く、優しい笑顔と、まっすぐな目と、
きちんと正しい姿勢が、彼の取り組む姿勢を
物語っているかのよう。

彼が育てた大きく甘いイチゴは、
キッチンでケーキにアイスにジャムにと姿を変えて、
お客さまに楽しんでいただいている。

しかし、残念ながら、甘くて美味しいイチゴも
もうそろそろ、終わり。
でも、それは、もうすぐ梅雨入りし、
その後のさわやかな夏がもうすぐそこだよ
という自然からのメッセージ。

向田さんから、
キッチンのスウィーツ担当のマイちゃんが
今年の最後のイチゴを採りにきませんか?と
声をかけて頂いた。

「ハチさんも行かない?」
「イク!!イク!喜んで!!!」
マイちゃんと、ダイちゃん、ミオちゃん、
丁度、いま、奈良から遊びに来ている母も一緒に。

まだまだ甘い甘い大きく綺麗な粒のイチゴ。
しっかりした味と、程よい酸味が
甘さを引き立ててくれる小粒のイチゴ。
みんなイチゴは大好き。
驚くほどに、欲張りに摘み取って。
大収穫!
採りに行けなかった仲間の分も。

この春の最後の最後のこの時季を
艶やかな赤い宝石を、甘くて酸っぱい、
真っ赤なジャムにして、閉じ込めて。
本当に、贅沢で、有難いこと。


サクラの咲き始めの頃。
大きな大きな粒のイチゴを、馬場が頂いたことが
きっかけで始まったひょんなご縁。
この関係が、来年には、もっと大きく
もっともっと鮮やかに
薫り豊かな関係に、熟成してゆければ
嬉しいな。

そんな思いを詰め込んで今晩、これからジャムづくり。

・・・ああ、いい薫り。

2009年5月24日日曜日

ぜいたくなおさんぽ
























キイチゴ、エゴノハナ、コアジサイ
ヤブレガサ、オガワノセセラギ
サシコムヒカリ
色づき、実をつけ
咲きほころび・・・

あっちにもこっちにも
・・うっとり。


ね、マリちゃん。

2009年5月23日土曜日

ゲンキをいただく







今日は、いつもより少しだけ早起き。
6時45分に集合し隣町まで野菜採り。


隣町に、酪農家のイリノさんという人がいる。
イリノさんにはヤギのメメコのご飯・干草を
分けてもらっている。
メメコのご飯以外にも、いつもいつも本当に
可愛がってもらっている。

キッチンでも、山崎さんのお野菜の端境期もある。
そんな時に、大事な大事な仲間や人が集まる・・
ああ・・何を準備しよう・・
・・明日のお野菜どうしよう・・・という頃に
その様子を、みていたかのようにタイミングよく
電話をくれる。
「野菜、採りにおいで!」


本業は酪農家。だけど、山菜やきのこ採りの名人でもある。
本業の酪農、牛のお世話の話よりも
いつお邪魔しても、山菜やきのこの話で盛り上がる。
本当に楽しそうに話す、イリノさんの話は本当に面白い。
そんな時間がとても楽しく、いつもゲンキをもらう。
時々くれるイリノさんからの電話が楽しみ。
昨日も、早朝に電話が鳴った。
あ!きっとイリノさん!

やっぱりそうだった。

「畑を片付けて、次の野菜を種まきしたいから手伝って!!」
それで、今朝は6時45分集合。
キッチンのミオちゃんとトモちゃんと3人で向かう。
作業のあとの朝ごはんのおにぎりを準備して。

ホウレンソウにレタスにタマネギ・・
ハツカダイコンにキヌサヤ・・・
ミズナにシュンギク・・・・

イリノさんのところからの帰り道は
軽トラックの荷台が、いつも笑えるくらいに
野菜がどっさり!今日も、大収穫!!
キッチンのお野菜にも、そして私たちみんなにも。
本当にありがたい。

牛舎の牛糞で、栄養たっぷりの土で、無農薬で
南向きでこんなに恵まれた畑はない!というくらいに
太陽の恵み、愛情たっぷりに育った本当にゲンキなお野菜。
どんな事にも、負けない、強い野菜。
イリノさんが育てた強くて元気なお野菜は、
イリノさん、そのもの。

イリノさん。本当にいつも美味しい旬の味覚を
ありがとうございます。
そして、楽しい時間も。

山崎さんの毎日のお野菜ももちろん
そのほかに、こんな風に知人にいただいたり
仲間が作ったり。
そんな風に、よく知る人が大事に育てた
その人そのものの味がする食材を
連日いただける、幸せ。
毎日、本当に美味しい。

今日の朝ごはん。
大きなお皿にレタスをたっぷり。
その上に蛭町さんのお豆腐、乾煎りの油揚げ
新タマネギのサラダをたっぷりのせて
鰹節と、美味しい胡麻油、お醤油を少し。
最後に黒七味をかけて。


ああ、幸せ。

2009年5月14日木曜日

くらしの素地










昨日の昼間、突然の強い氷。
毎年のこの時季、たたきつけたような音を鳴らす。
その後は、いつも急に冷え込む。

そんな季節。
大好きな春が名残惜しく
もう少し先まで欲張りに楽しむため、
毎年、必ず、イチゴのジャムを作る。
今年も、また。

ここで暮らすようになってから、まず、かわった事。
四季の移ろいを肌で感じられるようになった。
毎日の裏山の緑、森の草花や木々の彩り。
そして、山崎農園から毎朝届けていただく
日々のお野菜からも。
その日の朝に採った、その時、に取れる物ばかり。
年中、どんなお野菜でも買えるスーパーに慣れていると
旬の採れたて野菜の強くて甘い味を感じる事は、
とても難しい。

その時季に採れるものしか食べなくなってからは
自然の恵みに感謝する。本当に毎日美味しい。
美味しいものは美味しいうちに。
これは、すっかり家訓となっているのだけども
ちょっとセンチメンタルに、次の季節の足音が。
そんな音が聞こえる頃、大好きな人たちに
季節の恵みをギュッと閉じ込めてお届けする事も
ここに暮らす、私の喜び。
時々、「まめに・・・えらいわね~」と言われる。
・・イヤイヤ・・えらくもなんともない。
昔は、みんなそうしていたのだし、ただ、
みんなが喜んでくれることが、私の喜び。


丁寧に暮らす。
そんな気風が、世の中の新しい流れ、流行
主流になっている。
それは、それは、とても素晴らしい事だと思う。
私も、日々、足りない事だらけでありながらも、
毎日を当たり前に、でも、毎日を特別に暮らしたい。
暮らしを楽しむ、大事にする。
それは意識してする、ということではない。
ただただ、日々を築く。

昨日と今日は、同じではなく、
今日と明日も違うのだから。



5年前のある日。
大阪から、2人の若い男性が益子へ。
大きな2人が、カフェの一番小さな席に座っていた。
その大きい背中の二人は、懐っこい笑顔で、
とても腰が低く、丁寧で。
そして、まっすぐな目をしていた。

彼らは、関西を中心に若者に強く支持されている
セレクトショップ、アーバンリサーチの中核メンバー。
「丁寧に暮らす」その事を考えに考えて、
馬場に会いに来てくれた。
その一人が、竹村さんだった。


それからしばらくして、竹村さんが中心となり大阪・南船場に
アーバンリサーチ・DOORSのアンテナショップとしての、
お店を建設。
馬場も、その建設、そして店舗のソフトの面でもお手伝いを
させてもらった。


その仕事から、本格的にアーバンリサーチ・DOORSと
馬場との、いやスターネットとの仕事は始まった。
お店の事、将来の進むべき道。
社会の事、未来の事。
共に考え、共に歩んできた。
少しずつ、少しずつ。
この5年間、「取引先」「仕事」という域を超え、
一緒に歩んで来れた気がする。
スタッフの人たちも、こんな遠い所まで来て下さる。
大事な大事な、大好きな仲間。

お客さまも、あちらからこちらへ。
こちらからあちらへ。
みんなが、つながり、また、続いてゆく。

普段、本当にほとんど益子をでない馬場が
今朝、大阪へ出発した。
明日、5月15日(金)の夜に南船場店で
竹村さんと公然でお話をするため。
そう、トークセッション。
アーバンリサーチの事。スターネットの事。
その5年間の歩みと、これからの事。
きっと、その話は、その枠を超えて
みんなの進むべき道について考える
そんな明るい光が見えるような時間と
なることだろう。


竹村さんと馬場とのトークセッションの後には
MUZIKのアーティスト、ラジオゾンデの津田貴司さんと
いろのみのライブも、と盛りだくさん。

明日15日の夜。
大阪・南船場、難波神社近くにいらっしゃる方。
お時間のある方は、ぜひぜひ、足をお運びください。
みなさんの未来も共につながると、いいなと。
私は、明日も益子での休日。
お留守番。




2009年5月11日月曜日

地に足を。その秘訣







金曜日の東京。
馬場について出かけた先で、ため息が出るほどに
美しく素晴らしい品々を拝見。
何がそんなに美しいのか。
肌。かたち。それを生み出す、惜しみのない作業。
そして、妥協のない仕事。生き方。


池袋・東武百貨店にて13日まで開催中の
お店でも扱わせて頂いている、益子の作家・若杉集さんの
展覧会にお邪魔する。
「若杉集の仕事=急須」と言われるほどに
若杉さんが作る急須は、彼の代名詞でもある。
凛としていて繊細で、どれもこれも、本当に美しい。

益子の土は荒い、もろい、扱いづらいと言われがちだが、
そんな事はまったく感じさせない。
若杉さんは、100%益子の土を使う事にこだわっている。
益子の土でも、惜しみなく手をかければ、
こんなにきめ細やかで、強く、すべるような肌の
仕上がりになるのだと、いつも驚かされる。

しかも、彼の場合、自分の手で、発掘採集する。
それを、赤ちゃんの肌のような、
いや、もっともっときめ細かい土になるまで、
自らの手で何度も何度もふるいにかけ、
砂分の少ない粘りのある純度の高い
細かな土にするため、水簸する。
妥協なく、惜しみなく手間をかけ、納得のゆく土を作る。

急須を作るために土を作るのではない。
自分で作った土を生かすには、急須が一番という事で
急須を作っている。急須作家、いや、職人。
そんなくくりはどうでも良いと本当に強く思う。
若杉さんにしか出来ない、彼の仕事。

益子のどこに、どんな土があるのか、
歴史、暮らし、風土を基とし、視点にし
自然や地層を知る若杉さん。
だから、自ずと土にも詳しい。
どちらが先で、どちらが重要、そんな事ではくくれない。
暮らしも、自分の暮らす周りの環境も、生態も、
すべてがつながってこそ、作れる急須。

「自分が作りたいものには、
益子のあそこのあの土とこっちのあの土を、
こういう風にまぜるといい。
あの土とこの土は、気性が似ているから
混ぜても、きっと喧嘩せずに仲良くなるはず」

「たまたまほんの少しだけ採れたこの土を
ほんの少しだけ使ったらきっと良くなる。
案の定、こんなにいい色がでて
とても薄くて強い物になった」

一つ一つ、特徴の違う品々を詳しく丁寧に解説して下さる。
どの説明も、おおらかな気持ちで土に向かい、
いつも可愛がっていないと分からないようなセリフばかり。
だからこそ、いろんな表情を持つ個性豊かな、
急須が作り出せる。

お忙しい中 、長い時間楽しい話をうかがえた。
その中でもとても嬉しかったお話が。
若い作家さん、作り手の人たちが
益子の土にこだわるようになってきたという事。
自分で土を掘りに出かける若者が増えてきたと
嬉しそうに話す若杉さんの言葉の向こうに
益子で生きる、明るく頼りになる若い力が
育つ事を感じた。

ここにこだわり、ここで暮らす。ここに生きる。
近くに目を向け、地に足をつけ、踏みしめる。

土にこだわり、益子にこだわる若杉さんの話の先に
「強く、楽しく生きる」その秘訣が、光がみえた気がした。

若杉さん、貴重なお話を有難うございました。
あの急須でお茶をいただけること、
とても嬉しく、とても、楽しみです。


2009年5月8日金曜日

なかまが奏でる音







あっという間の陶器市も終了し、2連休。
連休2日目の今日金曜日は、馬場と東京・池袋へ
目的は2つ。どちらも、池袋。
ここでは、ふたつのうち、ひとつの方だけ。
目的地は、池袋・自由学園。
そう、フランク・ロイド・ライトの建築で有名な明日館での
ラジオゾンデのライブイベント「天気図」が開かれるため。
そのお手伝いも兼ねて・・・。


ラジオゾンデとは、STARNETの音楽レーベル
STARNET MUZIKの参加アーティストである
津田貴司さん、青木隼人さんのおふたりによるユニット。
フィールドレコーディングで採集した自然音を使ったり
その音に、自分で作った楽器で色をつけたり。
いつもアナログでもない、でも、人間味あふれる、
かなり独特な、仕上がりになっている。
静かだけど、奥行きがあり、透明な感じ。
津田さん、そしてお二人の音を聴いたとき、
彼らの音の向こうには、本当に心地よい映像が
頭の中に浮かんでくる。
ヴィム・ベンダースのロードムーヴィーのような映像。
時には、河瀬さんの映画のような蝉の声が
痛いくらいに響く、山の緑の濃い映像が浮かぶことも。
同じ曲を聴いていても、聴く時の自分の気持ちの状態に
よって浮かぶ映像が違うのも、
彼らの音を何度も聴きたくなる理由。
いつ聴いても温かく、そして、音の向こうの景色は透き通り、
そして地上から少し足を浮かせたような気分になる。
音の先に、遠くて近い、近くて遠い世界が浮かぶ。
そんな音は、本当に心地が良い。


今回はラジオゾンデが企画してくれた、新作CD発売記念ライブ。
企画のお二人と時を同じくして新譜を発売した
もうひとつのユニット、いろのみも声をかけていただき
前半いろのみ、後半ラジオゾンデの2部制で。

音響はサウンドスターの開発でも大変お世話になっている
音響のプロ中のプロ、TAGUCHIの代表、田口さんがPAを。
とても贅沢な事で、有難いことだ。
田口さん、いつも本当に有難うございます!
準備の時から、そしてライブ中も
田口さんの見守って下さる姿は、本当に心強く頼もしく
そして、監督のような、お父さんのような
厳しくも優しい背中が、印象的で忘れられない。


今回も設置して下さった音響機器は
田口さんと共同で開発しているスピーカー
サウンドスター。
無指向性スピーカーから響き渡る音響は、
いろのみのピアノの優しい音には強さを。
ラジオゾンデの温かく静かだけど鋭い音も
優しく包み込んでくれるかのような響き。
床や柱など、木から跳ね返る音の温かさも加わり
お手伝いも忘れ、ただただ聴き入って・・・
本当に、心地よかった。


そして、いつもお店に足を運んで下さるお客さまが
たくさん来て下さっていて、皆さんの笑顔に
会えたことも、とても嬉しかった。

馬場とのおでかけは、案の定わたしひとりだけ
笑えるくらいに、おまぬけ珍道中でもあったけれど・・
それはさておき。


いまも頭の中で、心地よい音が響く。
春雷のこの季節にぴったりの音色・・・・・
その世界の中で眠りにつく幸せったら。

いろのみの磯部君、柳平くん
そしてラジオゾンデのおふたり。
みなさま、お疲れ様でした。
そして、すてきな音を有難う。





2009年5月6日水曜日

みんな大好き!







陶器市も、無事に終了。


キッチンの混雑に長い時間待ってくださったお客さま。
ストアに来ていただいたお客さまも、混雑し、
じっくりゆっくり、品物をお選びいただけなかったこと
そして、諸々、十分な対応ができていなかった事にも
申し訳なく思い、反省するとともに、
お客さまの寛大なお心に、本当に心から有難く思った
この陶器市。
ご来店、本当に有難うございました。


そして、怒涛のこの数日を無事に乗り越えられたのは
助けてくれた、大好きな仲間がいたから。


ギャラリースタッフのまどかちゃんの妹、のぞみちゃん。
慣れないカフェでの仕事。
延々と続く、野菜洗いや、食器洗い。
初めてなのに、疲れもみせず、すてきな明るい笑顔も
絶やさず。連日、快く。
ありがとう。

畑仕事や、音作り、近々のライブも控えている中
連日、久しぶりのキッチンヘルプに入ってくれた
磯部君。
少し日焼けした姿が、頼もしく、慣れたキッチンの
ホール姿も、頼もしくすっかり板について安心でした。
ありがとう。

そして、本当に、久しぶりのホールスタッフとして
キッチンに入ってくれた今は大工さんの、
元スタッフの英ちゃん。
私がここにきたばかりのときから、一緒に働いた
懐かしい時間にタイムスリップ。
体が覚えていて、テキパキ動く様子に、
時間のギャップは全くなく。
みんなを引っ張ってくれて、本当に、頼りになりました。
ありがとう。


お掃除のお手伝いをしてくれている、まささん。
我々と同じく、休みなく頑張ってくれた。
いつも、ハツラツ。笑顔でゲンキもくれる。
お赤飯や、たけのこやフキの差し入れ。
美味しかったです。ご馳走様でした。
ありがとう。


常日頃、我々スタッフを自分の子供のように
気にかけて下さる、山崎農園の山崎お父さんお母さん。
この期間も、美味しく元気になる差し入れを
ご馳走さまでした。
ありがとう。

毎日、毎日、我々スタッフに美味しいお弁当を
作ってくれた、和子さん。
どれもこれも、本当に美味しく、ゲンキがでました。
こんなに美味しい毎日なら、まだまだ続いてもいいよと
本当に思った。ご馳走様でした。
ありがとう。


そして、スタッフのみんなも疲れをみせず
それぞれの持ち場を超えて、みんなで
助け合えた、この数日。
それぞれに、少したくましくなれたかな?

いっぱい、助けてくれて
ありがとう。


自分ひとりではないということ。
いつも、みんなに教えてもらう。
みんながいて、私がいる。


心から思えたこの陶器市。
楽しかった。
ありがとう。


明日、明後日とお休み。
自分にご褒美。
今宵は、久しぶりに、夜な夜な
大好きな映画三昧。


ああ、幸せ・・・

2009年5月5日火曜日

であう




陶器市も終盤。朝は晴れていたが、曇りだす。
せっかくの休日なのに、天気予報では午前中から雨。
すこしでも長くお天気がもてばいいけれど。


開店前に、東京の二宮さんから
「忙しい陶器市頑張って!」と美味しいおやつを
お届けいただいた。

二宮さんは、キッチンの星の著書・里山のレシピの
編集をしてくださった方。
私はその本の作成の際に、
本の編集校正のお手伝いをさせてもらった。
それ以来、色々とお世話になっている。
本当に可愛がってもらっている。

校正をする際に、二宮さんと夜な夜な、
ここはこれであってるわよね。
あれは、こういう作り方でよかったよね。
などと、本当に楽しく、そして厳しい仕事を
一番近くで垣間見させてもらって、
「最後まできちんとやる」
ということの意味を教えてもらった。


去年の春の陶器市。
里山のレシピを先行発売したばかりで、
その出版を記念して
里山のレシピの写真展を開催。
そのときも、写真家の石井宏明さんと二宮さんが
足を運んで下さった。

自分の手を離れた仕事のはずなのに、
その先まで、愛情をもって見届けてくださった
二宮さんの優しさと、そして、その諸々の
準備の細やかさにプロの仕事をみせてもらった。


あの仕事のお手伝いをさせてもらってから
少しだけ、違う自分に、であえた気がする。
本当にありがたく思っている。


毎日いろんな「であい」がある。
人や、物。大事なであい。

そういえば、一年前の去年の陶器市のこと。
手に商品を持ったお客さまに声をかけたら
たまたま、友人だった。
何年の月日が経ったのだろう。
彼女とは10代の頃、一緒に働いていた。
でも、お互い、それぞれの場所で
まったく、交流もなく過してきた。
だけど、たまたま、彼女がここに来て
私がここにいて、また会えた。
その後、彼女とも時々連絡をとっている。
10年以上経って、また思いを通わせられることを
嬉しく思っている。
つい最近、彼女が新しい命をこの世に。
そんなお知らせももらった。
そんな、嬉しい慶びとも、出合えた。
一年前に再会できなかったら、
ここにいなかったら、知らなかった慶び。


そんな事を思い出すときも、
ここにいて、良かったと嬉しくなる。
ここにいて、出会えた人や、
ここにいたから、感じる思いが
いっぱいいっぱい。


この陶器市の毎日も、
いろんな人と出会う。
いつも来て下さるお客さま。
陶器市だから来てみたの、と
初めて訪れて下さるお客さま。
探していた物と出会えたと
喜んでくださるお客さまの笑顔が
一番嬉しい。


毎日いろんな「であい」がある。
人や物との大事な、であい。
そんな一瞬を大事にしたい。

そんな事を、今朝のお菓子をほおばりながら思った。
二宮さん。ありがとう。
そして、ごちそうさまでした。

2009年5月1日金曜日

開いた先にあるよろこび







陶器市、3日目。快晴。
今日は平日なので、お仕事の方も多いのか
すこし静かな感じ。
とはいえ、忙しい日々・・・


そんな中、嬉しいお届け物が。
本日、5月1日発売の雑誌・ブルータス。
編集部から、雑誌を届けていただいた。


なぜ見本誌が到着、かというと
先日、キッチンの星の住まいの取材を受けた。
実は、この取材、一度はせっかくだけど、
お断りしようとなりそうだった。
恥ずかしがり屋の星だから、という事、以上に
諸々の事情で、逆にご迷惑をかけしてしまうという
理由から。

でも、ブルータス編集部の今回の企画担当の杉江さん、
そして「ぜひ星さんに!」と、色々とご尽力くださった
編集ライターの岡野さんとお会いして
今回の仕事への愛情を強く感じた。
熱意に押され、愛情にうたれ、
我々も断る理由がなくなった。

ご迷惑もおかけするかと思いますが・・
逆に、お願いしますと・・・
こちらからもお願いし、実現した。
よかったと思う。心から。

編集部の杉江さん、岡野さんも、
我々の無理なお願いを聞いてくださった。
星を良く知る、カメラマンの村田昇さんに
撮影を依頼。
村田さんも快く引き受けて下さった。
みんなが、よろこび、たのしく、仕事ができた。

広報の窓口のようなことをさせてもらっている
私も、本当に、本当に、楽しく、色んなことを
教えられた。

特に、ライティング、編集を担当して下さった
岡野さんとは、密に連絡をとっていたのだが
彼女の丁寧な仕事、愛情のこもった対応、
それには頭が下がる思いで、本当に有難かった。
仕事とはこう有るべきだと、本当に背筋が伸びた。


杉江さん、岡野さん、有難うございました。
カンシャ。



最近の馬場の口癖。
「閉じない、閉ざさない。開かない先によろびはない。」
今回も、本当にそう思った。

本が届いた今日。
星の家を施工してくれた、元スターネットスタッフの
高田英明くんが来てくれたので、馬場が本を渡した。
工事の間、あんなに頑張ってくれた英ちゃんが、
雑誌に掲載された自分の仕事をみて
自分の事としてではなく、一人の大工として
こういう風にすてきに住まう人のおうちを手がけられ、
それを人に見てもらえるのは、とてもうれしいよね。
とよろこんでくれた事も、何よりすごくうれしかった。
今回の取材を、物理的に無理だからと
あのまま、断っていたら
みんなのこんな笑顔が、なかったのだ。

開いた先の、多くの笑顔。

みなさんも、書店でぜひ、手にとってみてください。
星のほかにも、個性的な、自分の暮らしのスタイルを
持ったクリエーターの方々の住まい。
とっても、いい特集号です!